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火星の古代における粘土鉱物の存在を示す発見が、NASAの火星探査ミッション「パーサヴィアランス」の科学チームを大いに沸かせています。インペリアル・カレッジ・ロンドンの博士課程候補であるアレックス・ジョーンズ氏によって報告されたこの発見は、生命の痕跡を探る上で非常に重要な意味を持つ可能性があります。
パーサヴィアランスは、ウィッチヘーゼルヒルにおける球状構造が豊富な地層の探査を終えた後、クロコディレン台地と呼ばれる、ジェゼロ・クレーターの縁にある比較的標高の低い地形を調査しています。この台地は、クレーターの形成初期に堆積したと考えられる地層で構成されており、粘土鉱物を含む岩石が露出していることが確認されました。
粘土鉱物は、水と岩石が相互作用することで生成される鉱物であり、地球上では生命の起源や進化に深く関わっています。そのため、火星における粘土鉱物の発見は、過去に火星が現在よりも温暖で湿潤な環境であった可能性を示唆し、生命が存在し得る環境であったことを示唆する重要な証拠となり得ます。
パーサヴィアランスの科学チームは、このクロコディレン台地で発見された粘土鉱物を含む岩石のサンプルを採取することに強い意欲を示しています。採取されたサンプルは、将来的に地球に持ち帰られ、詳細な分析が行われる予定です。分析結果によっては、火星における生命の痕跡や、過去の環境に関する新たな発見が期待されます。
ジェゼロ・クレーターは、かつて湖が存在したと考えられており、生命が存在するのに適した環境であった可能性があります。パーサヴィアランスは、このクレーターを中心に探査を行い、生命の痕跡を探すことを主な目的としています。今回の粘土鉱物の発見は、その探査活動において非常に重要な一歩となるでしょう。今後のパーサヴィアランスの活躍から目が離せません。
参照元: https://science.nasa.gov/blog/clay-minerals-from-mars-most-ancient-past/