画像出典: 元記事
リフォームUKの党首であるナイジェル・ファラージ氏は、英国の税制に関する新たな提案を発表しました。その中心となるのは、英国に居住していながらも税務上の居住者とみなされない、いわゆる「非居住者(non-doms)」に対する税制の見直しです。ファラージ氏の提案によれば、非居住者は年間25万ポンドを支払うことで、特定の税金を回避できるというものです。この政策によって得られた資金は、フルタイムで働く労働者のうち、最も所得の低い10%の人々の賃上げに充当される計画だとされています。
非居住者優遇税制は、長年にわたり議論の的となってきました。英国に住みながら、海外の収入に対して英国の税金を支払わないことを可能にするこの制度は、富裕層に有利であるとの批判が根強くあります。ファラージ氏の提案は、この制度を一部変更し、一定の税収を確保しつつ、その資金を低所得層に還元するという、一種の折衷案と言えるでしょう。
しかし、この提案にはいくつかの疑問点も残ります。まず、25万ポンドという金額が、非居住者にとって十分に抑止力となるのかという点です。富裕層の中には、それ以上の税金を回避できるのであれば、この金額を支払うことを厭わない人もいるかもしれません。また、低所得層への賃上げが、実際にどの程度効果があるのか、具体的な分配方法や対象者の選定基準など、詳細な計画が明らかにされていません。
今回のファラージ氏の提案は、税制改革の一つの方向性を示すものとして注目されます。今後の議論を通じて、より公平で持続可能な税制が構築されることが期待されます。