近年、マッチングアプリを悪用したロマンス詐欺が深刻化しており、特に学生がターゲットにされるケースが増加しています。警察庁の発表によると、ロマンス詐欺の被害額は年々増加傾向にあり、昨年は過去最高の被害額を記録しました。これは、ソーシャルメディアやオンラインプラットフォームの普及に伴い、見知らぬ相手とのコミュニケーションが容易になったことが背景にあると考えられます。
ロマンス詐欺の手口は巧妙化しており、ターゲットに近づくために、まず時間をかけて親密な関係を築こうとします。相手の趣味や関心事を共有し、共感を示すことで信頼を得ていきます。そして、ある程度の信頼関係が構築された段階で、病気や事故、事業の失敗などを理由にお金を要求してきます。多くの場合、最初は少額の要求から始まり、徐々に金額がエスカレートしていくのが特徴です。
学生の場合、アルバイトなどで貯めたお金を騙し取られるケースが多く、中には学費や生活費にまで手を付けてしまう人もいます。また、詐欺に遭ったことを誰にも相談できず、精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。被害に遭わないためには、見知らぬ相手からの甘い言葉や急な金銭要求には警戒することが重要です。少しでも不審に感じたら、家族や友人、大学の相談窓口などに相談するようにしましょう。
専門家は、「ロマンス詐欺は誰にでも起こりうる犯罪であり、決して恥ずかしいことではありません。一人で悩まず、まずは誰かに相談することが大切です」と訴えています。また、警察庁の相談窓口や消費者センターなども、ロマンス詐欺に関する相談を受け付けています。少しでも不安を感じたら、専門機関に相談することも有効な手段です。早期に相談することで、被害の拡大を防ぐことができるだけでなく、精神的な負担を軽減することもできます。
マッチングアプリを利用する際は、相手のプロフィールをよく確認し、身元が確認できる情報がないかを確認しましょう。また、メッセージのやり取りだけでなく、ビデオ通話などで相手の顔を確認することも有効です。安易に個人情報を教えたり、お金を貸したりすることは絶対に避けましょう。自分自身を守るために、常に警戒心を持つことが大切です。
