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NASA(アメリカ航空宇宙局)は、2025年の有人月面着陸を目指す「ヒューマン・ランダー・チャレンジ」の2年目の結果を発表し、総額1万8000ドルの賞金を3つの大学チームに授与しました。このチャレンジは、宇宙探査における重要な課題である、極低温(超低温)の液体貯蔵および移送システムの長期的なソリューションを開発することを目的としています。
極低温液体、特に液体水素や液体酸素は、ロケットの推進剤として非常に効率的ですが、長期間宇宙空間で貯蔵し、移送することは技術的に非常に困難です。これらの液体は非常に低い温度で維持する必要があり、わずかな熱でも蒸発してしまいます。今回のチャレンジでは、大学チームが革新的な断熱技術や貯蔵システムの設計を提案し、長期的な宇宙ミッションにおけるこれらの課題の克服を目指しました。
NASAは、有人月面探査計画「アルテミス計画」を進めており、2024年にはアルテミス2号で有人飛行試験を実施し、その後、アルテミス3号で宇宙飛行士を月面に送る予定です。この計画の成功には、月面での長期滞在を可能にする、効率的で信頼性の高い極低温液体貯蔵・移送システムが不可欠です。
今回のヒューマン・ランダー・チャレンジで選ばれたソリューションは、将来のアルテミス計画や、さらに遠い宇宙への探査ミッションに貢献することが期待されています。NASAは、これらの革新的な技術開発を支援することで、人類の宇宙探査の可能性を大きく広げようとしています。今回の受賞は、宇宙開発における技術革新の重要性を示すとともに、次世代のエンジニアや科学者を育成する上で、このようなチャレンジが非常に有効であることを示しています。