テムズウォーター社国有化へ準備加速、政府が「あらゆる事態に備え」と表明

イギリスの主要水道事業者であるテムズウォーター社をめぐり、政府が国有化に向けた準備を加速させていることが明らかになりました。スティーブ・リード環境相は、「あらゆる事態に備えて準備を整えている」と述べ、状況の深刻さを示唆しています。テムズウォーター社は、巨額の負債を抱え、経営状況が悪化しており、政府は、同社の経営破綻が水道サービスの供給に影響を及ぼすことを懸念しています。同社には、約1500万人の顧客がおり、ロンドンを含む広範囲に水道サービスを提供しています。もしテムズウォーター社が破綻した場合、政府が一時的に経営を引き継ぎ、水道サービスの安定供給を維持する必要が生じる可能性があります。政府は、国有化という最終手段も視野に入れ、慎重に状況を監視しています。過去にも、鉄道会社などの公共サービスが経営難に陥り、政府が一時的に国有化する事例がありました。今回のテムズウォーター社の問題は、イギリスのインフラ投資のあり方や、民間企業の責任について、改めて議論を呼ぶ可能性があります。政府は、国民生活に不可欠な水道サービスの安定供給を最優先に、あらゆる選択肢を検討していく方針です。