性別クリニックを巡る訴訟:監視機関の対応は「非合理的」と法廷で指摘

性別クリニックを巡る訴訟:監視機関の対応は「非合理的」と法廷で指摘

画像出典: 元記事

英国における性別違和(性同一性障害)の治療を提供するクリニックを巡り、監視機関である医療規制当局の対応が「非合理的だった」として、法廷で訴えが提起されました。この訴えを起こしたのは、元看護師と、自身の子供が当該クリニックで治療を受けた母親です。彼女たちは、医療規制当局がクリニックに対して、より厳しい条件を課すべきだったと主張しています。

問題となっているのは、タビストック・アンド・ポートマンNHS財団トラストが運営する性別アイデンティティ発達サービス(GIDS)というクリニックです。このクリニックは、性別違和を持つ若者に対して思春期ブロッカーと呼ばれる薬物療法や、その他の治療を提供してきました。しかし、近年、GIDSの治療方針や、特に思春期ブロッカーの使用に関して、安全性や有効性を疑問視する声が高まっていました。

原告である元看護師は、GIDSでの勤務経験に基づいて、クリニックの治療プロセスに懸念を抱いており、監視機関がもっと積極的に介入すべきだったと主張しています。また、もう一人の原告である母親は、自身の子供がGIDSで治療を受けた結果、予期せぬ副作用に苦しんでいると訴えています。彼女は、クリニックが十分な情報を提供せず、リスクを適切に説明しなかったと主張しています。

今回の訴訟では、医療規制当局がGIDSの運営を適切に監督し、患者の安全を確保する義務を果たしたかどうかが争点となります。原告側は、当局がクリニックの運営状況を十分に把握していなかった、あるいは把握していても適切な措置を講じなかったと主張しています。一方、当局側は、GIDSの運営を継続的に監視しており、必要な措置は講じてきたと反論しています。

この訴訟は、性別違和を持つ若者に対する医療提供のあり方、そして医療規制当局の責任範囲について、改めて議論を呼ぶ可能性があります。裁判の行方は、今後の性別違和治療のガイドラインや、医療機関の監督体制に大きな影響を与えると考えられます。

参照元: https://www.bbc.com/news/articles/crl0kp97x2jo

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