ハッブル宇宙望遠鏡、重力レンズが織りなす銀河団Abell 209の絶景を捉える

ハッブル宇宙望遠鏡、重力レンズが織りなす銀河団Abell 209の絶景を捉える

画像出典: 元記事

NASAとESA(欧州宇宙機関)のハッブル宇宙望遠鏡が、壮大な宇宙の光景を捉えました。今回公開された画像は、重力によって時空が歪むほどの質量を持つ、巨大な銀河団「Abell 209」の姿です。Abell 209は、地球から約28億光年離れた、くじら座の方向に位置しています。この距離は、光が28億年かけて地球に届くほどの遠さであることを意味します。

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたAbell 209の画像には、100を超える銀河が確認できます。しかし、この銀河団の魅力は、目に見える銀河の数だけではありません。Abell 209のような巨大な銀河団は、その莫大な質量によって周囲の時空を歪めています。この時空の歪みは、光の進路を曲げる「重力レンズ効果」を引き起こします。重力レンズ効果によって、背景にある銀河からの光が歪められ、拡大されて見えることがあります。これは、まるで天然のレンズのような働きをするため、重力レンズと呼ばれるのです。

重力レンズ効果は、遠方の銀河を観測するための強力なツールとなります。通常の観測では捉えられないほど微弱な光を放つ銀河も、重力レンズによって明るく拡大されることで、詳細な研究が可能になります。天文学者たちは、Abell 209のような銀河団を利用して、宇宙の初期に存在した銀河の姿を解明しようと試みています。

ハッブル宇宙望遠鏡は、1990年の打ち上げ以来、数々の驚くべき宇宙の姿を私たちに届けてくれました。その高解像度の画像は、天文学の発展に大きく貢献しています。Abell 209の画像もまた、宇宙の神秘を解き明かすための貴重なデータとなるでしょう。今後、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など、次世代の観測機器との連携によって、Abell 209の研究はさらに進展することが期待されます。

参照元: https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-snaps-galaxy-clusters-portrait/

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