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英国のデジタル銀行であるMonzo(モンゾ)は、不正対策における不備を理由に、金融行為規制機構(FCA)から2100万ポンド(約33億円)の罰金を科せられました。この問題は、Monzoが口座開設時の顧客確認プロセスに重大な欠陥があったことに起因します。具体的には、偽の住所、それも英国首相官邸として知られるダウニング街10番地を申告した人物に対して、口座開設を許可していた事例が明らかになりました。
金融行為規制機構(FCA)の調査によると、Monzoは2018年10月から2019年10月にかけて、マネーロンダリングのリスク評価や顧客のデューデリジェンス(本人確認)において、十分な対策を講じていませんでした。その結果、犯罪者がMonzoのシステムを悪用し、不正な資金洗浄を行う機会を与えてしまったと指摘されています。
Monzoは、スマートフォンアプリを通じて手軽に口座開設や取引ができる利便性が評価され、特に若い世代を中心に急速に顧客数を増やしてきました。しかし、その急成長の裏で、不正対策の強化が追いついていなかったことが今回の問題で浮き彫りになりました。金融機関は、顧客の利便性を追求するだけでなく、犯罪を未然に防ぐための厳格な対策を講じることが不可欠です。
今回の罰金処分を受け、Monzoは声明を発表し、過去の不備を認め、再発防止に向けて内部統制システムの強化に取り組むことを表明しました。また、既に是正措置を講じており、今後はより厳格な顧客確認プロセスを実施していくとしています。金融行為規制機構(FCA)は、Monzoが是正措置を確実に実施し、不正対策を強化していくことを監視していく方針です。
今回の事例は、デジタル銀行が急速に普及する中で、不正対策の重要性が改めて認識されるきっかけとなりました。他のデジタル銀行も、今回の件を教訓として、自社の不正対策体制を見直し、強化していくことが求められます。