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NASA(アメリカ航空宇宙局)の最新鋭宇宙望遠鏡SPHEREx(スフィアエックス、宇宙の歴史・再電離・氷探査機)は、今年3月に打ち上げられ、地球低軌道での観測を開始しました。このミッションの目的は、宇宙全体の詳細な全天マップを作成することです。SPHERExは、宇宙の歴史、宇宙初期の再電離、そして宇宙空間に存在する氷の組成を調査するために設計されました。
このプロジェクトの大きな特徴は、SPHERExが収集したデータを毎週、一般公開することです。これにより、世界中の研究者、教育者、そして宇宙に興味を持つすべての人々が、最新の宇宙観測データにアクセスし、利用できるようになります。公開されるデータは、SPHERExのウェブサイト上の専用アーカイブで閲覧可能です。
SPHERExが作成する全天マップは、従来の観測データと比較して、より広範囲な波長をカバーし、高精度なスペクトル情報を提供します。これにより、これまで見えなかった宇宙の姿が明らかになり、新たな発見につながることが期待されています。特に、宇宙初期の星や銀河の形成過程、暗黒物質の分布、そして生命の起源に関わる有機分子の存在など、宇宙の根源的な謎の解明に貢献すると期待されています。
SPHERExのデータ公開は、科学研究の透明性を高め、より多くの人々が宇宙探査に参加する機会を提供します。NASAは、SPHERExのデータを利用した教育プログラムやアウトリーチ活動も積極的に展開し、次世代の科学者育成にも貢献していく予定です。SPHERExの全天マップは、私たちの宇宙観を大きく変え、新たな科学的発見をもたらす可能性を秘めています。今後のデータ公開と、そこから生まれる発見に、世界中の注目が集まっています。
参照元: https://science.nasa.gov/open-science/spherex-universe-map/